前回までの記事でお伝えした通り、我が家の猫全員がウイルス感染をしてしまい、症状の軽い子は軽い吐き気のみ、多少の食欲不振があった程度であったが、幼少期から少し体の弱い我が家の末っ子やんちゃ坊主ポポロンだけは、症状がとても強く表れていた。
その症状は本当に突然現れた。
我が家のボス、リュックが「肥満細胞腫」の摘出のため全身麻酔での手術を終え帰宅、その日の夜からリュックがピンク色の嘔吐をした。
その翌々日からピーボ、ニック、と次々と吐き出した。
これは何かおかしいと思っていた矢先その数10分後にポポロンも吐き出してしまった。
ポポロンは毛玉を吐き出すことのない子で我が家に迎え入れてから1度も吐いたことがない。
そんなポポロンが突然ピンク色の嘔吐をしたのだから異常事態以外の何物でもない。
他の子たちは1日数回から10回程度嘔吐を繰り返し心配ながらもその日の夜翌朝には症状も落ち着きご飯も食べトイレもしっかりしていたので不安要素は少なかったのだが、ポポロンは違った。
翌日もピンク色の嘔吐を続け、あろうことか口から大量のよだれを流していたのである。
猫は犬と違いよだれを垂れ流すような事は基本的にはありえない。
リラックス状態が続くと唾液の分泌量が増えよだれが多少出る事はあるそうだがこんなに吐いている状態でリラックスしているわけがない。
「よだれが止まるまで少し様子を見てみよう」などといった悠長なことは言っていられない、どんな症状どんな病気であろうと早期発見早期対処がカギになるのだから。
前回の記事でもお伝えした通り連日先生に診てもらいインターフェロンを即注射。
様子を見つつ、ポポロン本猫の抵抗力を信じるのみだ。
しかし一向に食欲が戻らないポポロン、そしてリュックも少し食べただけで完治したと言えるほど食欲があるわけでもなく他の猫たちも1日1回程度だがピンク色の嘔吐をしていた。
全員の体調不良に不安を隠しきれない僕を見て比較的症状の軽いソラがいつも以上に僕について回り
「私はこんなに元気だから心配しないでいいんだよ。むしろ私だけを見れるチャンスよ」
とでも言わんばかりの表情で僕を慰めてくれていたのが本当に嬉しかったが、本当に辛かった。
そんな心配をしているとほどなくしてリュックが突然ご飯を食べだした。
それは本当に気休め程度の食欲ではなく普段の量や下手したら普段の量の1.5倍から2倍位の量を食べ続けている。
モリモリモリモリモリモリモリモリ!
リュックはとても賢い子で一気食いをしたらまた胃が荒れてしまうというのがわかっているかのように少し食べては休み、少し時間を開けまた食べる、それを繰り返しかなりの量を食べしっかりうんちもして突然走り回るほどの元気を取り戻した。
その食欲を見た女子たちもしっかりとご飯を普段の量と同じくらい食べ始めそれと同時にピタッと嘔吐も止まり、ポポロン以外のみんなは完治と言っていいほどの回復を見せた。
それを先生に伝えると
「よかったよかった、これで残すはポポロンくんだけですね!辛抱してください。この子は少し大変かもしれませんが必ず良くなりますから。」
ポポロンの体質や体の弱さを知ってくださっている先生からの言葉はとても心強かった。必ず治る。いや、必ず治す。
三日間のインターフェロンの注射を終え後は本人の抵抗力を信じて回復を待つのみと伝えていただいたが、すっかり弱気になってしまっていた僕は
「インターフェロンを打ったのにもし食欲も戻らず元気も戻らなかったら強制給餌が始まり喉にチューブを通し苦しい思いをさせてしまうのだろうか、そうなった場合入院になってポポロンと一緒にいるのは難しくなってしまうのだろうか。もしそうなったら僕が動物看護師の勉強をして動物病院に就職して僕自身が看病をすれば毎日会えるのか、いやでも動物看護師の勉強てそんな一朝一夕で学べるようなアレじゃないよな僕バカだけどやれるかな」
などとマイナス思考+頭のおかしい考えが頭を永遠巡った。
すると3日目のインターフェロンを打ち終え数時間後、嘘みたいによだれが止まり本当に1ミリたりとも動かなかったのが嘘のように、自ら歩みはじめ、涼しいところを見つけ、寝っ転がる位には動けるようになっていた。
さすがポポロン。強い子だ!
しかし依然ご飯は食べず、心配は続くばかりだ。
唯一の救いは水をたくさん飲むこと。
水さえ飲んでいれば脱水症状の心配もないしひとまず安心だそうだ。
僕の膝の上で、ぐっすり寝るという、日常まで戻ってきた。
昨日まではご飯の匂いを嗅ぐだけで吐きそうになるような素振りを見せ、よだれが垂れて止まらなくなってしまっていたが、今日からはみんなのご飯の横を素通りしても嗚咽することもなく平然と過ごしていた。
後はポポロン自身が食べだしてくれるのを待つのみだ。
ただかれこれ3日ほど絶食状態なので、これ以上放置を続けると肝リピドーシスと言う病気を発症しかねない。
先生にも相談しチュールや栄養食のようなものを少しだけあげることを許可してもらった。これがきっかけで
「あ、僕食べても平気なんだ」
と思ってもらえるように願った。食べるのが怖い、食べることを忘れてしまっていたらまずい。そう思っての行動だ。
食べた瞬間に即座に吐いてしまったらどうしよう、一切食べてくれなかったらどうしよう、そんなことを思いながら少し嫌がるポポロンにご飯を食べさせた。
正直数時間したら吐いてしまうだろうと思っていたが吐くこともなく
「今日のご飯おいしかったよ毛づくろい」
をしているではないか。
どうやら食べること自体はもう問題ないようだ…!
ただ過去あまり吐いたことのない猫ちゃんが突然嘔吐した場合自分が吐いたことに対するショックでご飯を食べるのを怖がることがあるらしい。
今まさにポポロンもそんな感じだった。人生で一度も吐いたことないのに、口からピンクの嘔吐したらそりゃ怖いよね。
僕だったら食えなくなっちゃう。
食べても吐かないし、具合悪そうにすることもない、しかし自分からは食べられない。
なんとか栄養と呼べるご飯は食べさせてあげられたから、一応一安心。
パウチをあげ切るのに1時間かかりました。僕の指を駆使して、出来るだけ負担のないように丁寧に口に運びました。
そんな日が丸一日続き、不安な1日が終わった。
次回予告。
久々の猫圧!?
…しかし、いつものように、先頭はポポロンではありませんでした
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ようやく少しずつ不安から解放されてきたが、まだ油断できない響介と元気になってきたらポポロンを気にかけてるみんな